Magazine
Subscribe

In This Issue

  • 5 Japanese Space Startups to Watch | November 2020

    Read in Japanese: 5 注目すべき日系宇宙関連スタートアップ企業 Japan’s New Space economy has taken off in recent years, as the Japanese government, the nation’s civil space agency JAXA, and private investors have invested […]

  • 5 注目すべき日系宇宙関連スタートアップ企業 (Translated: Japanese Space Startups to Watch) | November 2020

    近年、日本政府、国立の宇宙研究開発機関である宇宙航空研究開発機構(JAXA)、および民間の投資家が新興ベンチャー企業に投資するなか、日本の宇宙産業は新たな発展の兆しをみせています。スタートアップ企業の数が増加するなかで、このような投資が実を結び始めています。ここでは、グローバルな目標を掲げている日本のスタートアップ企業5社をご紹介します。 インフォステラ(Infostellar) インフォステラは、地上局へのアクセスを整備することにより、人工衛星スタートアップ企業の規模拡大を支援します。同社が提供するプラットフォームは、「地上局用Airbnb」と呼ばれています。インフォステラが運用を開始したクラウド型プラットフォーム「StellarStation」は、地上局の非稼働時間を抱える地上局オーナーと地上局へのアクセスを必要とする人工衛星運用事業者をマッチングします。 同社は、UHF帯、S帯、X帯の運用局を持つ地上局のネットワークを拡大しており、アゼルバイジャンの人工衛星運用事業者であるAzercosmosやオーストラリアの地上局運用事業者であるCapricorn Spaceと提携しています。インフォステラは、2016年に設立され、Airbus Ventures、Sony Innovation Fund、三菱UFJキャピタルなどから累計1,150万ドルを資金調達しました。 「人工衛星運用事業者の主な事業は、人工衛星に関する計画、開発、配備、運用であり、地上局ネットワークの構築は面倒な業務です。人工衛星運用事業者は、必要以上のものの開発に貴重な時間を費やすべきではありません。地上局のネットワークを構築することで、インフォステラは人工衛星運用業者の事業拡大をサポートします」とCEO兼創業者の倉原直美氏は述べています。 倉原氏によると、同社はグローバルな事業展開を目指しており、来年中に米国オフィスを開設することで、米国の宇宙産業との関係強化に努めます。倉原氏は、AWS Ground Station、Microsoft Azure Orbitalを擁する巨大テック企業であるアマゾンとマイクロソフトが地上局運用に関心を示している点に期待を抱いており、インフォステラの地上局を利用することで、より多くの衛星データがクラウドに転送されるだろうと考えています。 GITAI GITAIの創業者兼CEOである中ノ瀬翔氏の、宇宙産業への関与はそれほど長くありません。中ノ瀬氏は以前IBMに勤務していました。その後、ヒューマンモビリティに関する安全およびコスト面での問題解決を目指して、ロボットを開発する個人プロジェクトを立ち上げた際、最初の会社を売却しました。さまざまな業界のニーズをヒアリングした結果、中ノ瀬氏は、ヒューマンモビリティに関して安全およびコスト面で最大の課題を抱えているのは宇宙産業であることを認識し、2016年に宇宙用作業ロボットのスタートアップ企業であるGITAI社を設立しました。 GITAIは、JAXAと密接に連携し、JAXAの模擬国際宇宙ステーション「きぼう」モジュールに搭載されたロボットの実証実験を実施しました。また、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」のロボット化に関するガイドライン策定のための提携や、宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)協定も結んでいます。現在、GITAIはISS上でのロボット実証実験に向けて、Nanoracksと共同で取り組んでいます。 中ノ瀬氏は、次のように述べています。「来年の実証実験は、GITAIの顧客である宇宙研究開発機関や宇宙関連企業に対して安価で安全な作業手段を提供するという当社の取り組みにおいて、重要な一歩となるでしょう。ロボット開発のプロセスを通じて、当社はISSに対応したロボットの開発に必要なスキル、ノウハウ、経験を身に付けていきます。ロボットの搭載後は、微小重力環境下での技術の成熟度を証明し、潜在的な顧客の注目を集めることになるでしょう」 中ノ瀬氏によると、GITAIはすでに民間の宇宙企業から宇宙ロボットの研究開発を受注しており、2020年代半ばまでにGITAIのロボットを宇宙空間における実際のミッションで稼働させることを計画しています。 アストロスケール(Astroscale) アストロスケールは、寿命を迎えた人工衛星の除去を行う終末処理サービス、デブリ(宇宙ごみ)除去サービス、人工衛星寿命延命サービスを通じた持続可能な宇宙空間の商業化を使命としており、成果を挙げています。同社は、世界5か国にオフィスを構え、JAXA、OneWeb、東京都と提携し、世界中の宇宙に関する法規制に影響を与えています。アストロスケールは、2013年の設立以来、日本で最も資金調達力の高い宇宙ベンチャー企業になりました。最近では、5,100万ドルの投資ラウンドを終了し、累計調達額は1億9,100万ドルに達しました。 アストロスケールは現在、デブリ捕獲・除去実証衛星「ELSA-d」の打ち上げを控えています。ELSA-dは、終末処理サービスを円滑化し、寿命を迎えた衛星や、故障した衛星を軌道上から大気圏に運び、再突入時に燃焼させるよう設計されています。同社は今年、買収を通じて、静止軌道(GEO)衛星の寿命延命市場にも参入しました。 CEO兼創業者の岡田光信氏によると、アストロスケールは宇宙空間の清掃に関する議論を牽引しており、同社の技術は業界に新たなバリューチェーンをもたらすとともに、必要とされる規制整備への道を開いています。同氏は、デブリ除去について次のように述べています。「2年前は、誰も既存デブリに注意を払っていませんでした。問題は明白であるにも関わらず、誰も行動を起こしたくなかったのです。実績のある技術が無ければ、誰も規制を整備することはできません」 Synspective Synspectiveは、名だたる地球観測(EO)企業の一員となることを目指しており、夜間や曇天でも画像撮影が可能な合成開口レーダー(SAR)でニッチ市場を開拓しています。日本で最も資金調達力の高いスタートアップ企業のひとつである同社は、2019年にシリーズAラウンドを完了し、1億ドル弱を調達しました。 Synspectiveは、今年、Rocket Labと提携し、SAR衛星初号機「StriX-α」の打ち上げを予定しています。この衛星は、Synspectiveが計画している30のSAR衛星から成るStrixコンステレーション(衛星群)の初号機となります。これらのSAR衛星は、地理空間ソリューションを提供するよう設計されています。同社は、2022年までに6機の衛星の打ち上げを計画しています。 CEOの新井元行氏は、Synspectiveのコンステレーションによって、世界中の災害リスク管理を可能にするサービスやデータを迅速に提供することを目指していると述べています。同氏によると、Synspectiveは、日本および海外で、商業契約と政府契約の両方を目指しています。 新井氏は、次のように述べています。「当社のSARソリューションが第一に重点を置いているのはアジア太平洋地域であり、そこから徐々に拡大していく予定です。当社のSARデータビジネスは、当初から世界中のクライアントのニーズに応えることを目的としています」 スカイゲートテクノロジズ(Skygate […]

  • Africa Unites its Diverse and Rapidly Growing Space Industry | November 2020

    Africa’s space community leaders want the rest of the world to stop referring to the continent as a homogenous, “developing” market. They do not want to be seen as a […]

  • Cybersecurity Influencers React to Space Policy Directive 5 | November 2020

    September 2020 could be looked at as a pivotal month in regards to the relationship between the U.S. government and cybersecurity in space. In September, the National Space Council (NSC) […]

  • Flying High: Gogo’s John Wade Talks Intelsat Commercial Aviation Acquisition | November 2020

    In early September, Intelsat made the move to acquire Gogo’s Commercial Aviation business for $400 million. Despite the aviation industry’s struggles during the COVID-19 pandemic, and Intelsat’s ongoing Chapter 11 […]

  • Japan’s Space Startup Market Blooms | November 2020

    Read in Japanese: 日本の宇宙スタートアップ市場が開花 When Nobu Okada founded Astroscale in 2013, there were only a few Japanese space startups. But in the past few years, as Astroscale has gained global […]

  • Japan’s Space Sector, a Study in Innovation | November 2020

    In this edition of Via Satellite we want to take you on a journey across the globe as we look at the impact of satellite communications in a number of […]

  • Reaching Every Opportunity with Satellite and Backhaul | November 2020

    As we enter a new digitalized era, Mobile Network Operators (MNOs) are under intense pressure to expand networks and earn new subscribers. In the developing world, connectivity paves the way […]

  • Regulatory Sandboxes Spur Innovation in the Space Sector | November 2020

    “Regulatory sandboxes” is a concept mainly associated with the Fintech sector. It was originally developed to represent the creation of safe spaces for testing new products and services, under regulatory […]

  • 日本の宇宙スタートアップ市場が開花 (Translated: Japan’s Space Starup Market Blooms) | November 2020

    岡田光信氏がアストロスケールを2013年に設立したとき、日本には宇宙スタートアップはわずかしかありませんでした。しかし、持続可能な宇宙というビジョンを掲げたアストロスケールがこの数年で世界的な知名度を獲得するのと時を同じくして、日本の宇宙スタートアップ産業は成長を遂げ、今では40社を超えるベンチャー企業が存在しています。岡田氏によれば、日本では宇宙がかつてよりも身近な存在になっており、また日本政府が推進している政策により、国民と民間企業の宇宙産業への進出が奨励されていることが、宇宙スタートアップ産業の目覚ましい成長につながったといいます。 「日本のスタートアップ市場を見ると、ITやエネルギー、教育、バイオといった分野では明確なセグメントがありますが、宇宙というセグメントは存在しませんでした。しかし今や宇宙産業は日本のスタートアップ市場を支える大きな柱となっています。状況は大きく変わりました」岡田氏はそう語ります。 岡田氏によると、アストロスケールの創業以来7年間で、日本の主要な宇宙スタートアップ企業の間に緊密なコミュニティが形成されたといいます。その背景には、各社とも資金調達や人材採用、他国への事務所の設置など、取り組んできた課題が似通っていることがあります。「私たちは知識と大局観を共有しています。私自身、今も勉強中の身ですが、若い世代とのギャップを埋めることも私の役割ではないかと思っています」と岡田氏は言います。 日本には民間宇宙の分野で確固たる歴史があり、1970年には最初の衛星打ち上げに成功しました。このとき打ち上げられたのが人工衛星「おおすみ」で、打ち上げには日産と宇宙科学研究所(ISAS)が開発した無誘導方式のロケット、ラムダ-4Sが使用されました。また、日本は国際宇宙ステーション(ISS)建設にも参加しており、さらに2003年にはISAS、航空宇宙技術研究所(NAL)、宇宙開発事業団(NASDA)を統合してJAXAを創設し、政府による宇宙プログラムの一本化を図っています。 また、三菱重工業(MHI)、三菱電機(MELCO)、川崎重工業(KHI)など、伝統ある民間企業が世界の宇宙産業に貢献してきました。それでも、岡田氏がアストロスケールを設立したとき、他に宇宙関連のスタートアップはほぼ見当たりませんでした。日本政府とJAXAおよび民間投資家はこの数年、日本のいわゆるNew Space産業に投資を続けており、その投資の甲斐あってスタートアップの数が増え始めています。 JAXAの事業開発・産業関係部のJ-SPARCプロデューサーである小谷勲氏によれば、こうした新しい担い手は、業界そのものに影響力を与えようとしているといいます。「彼らはすでに宇宙サプライチェーンの構造を変えつつあり、独自のビジネスモデルと技術力によって世界の宇宙産業のバリューチェーンの重要な部分になっています」 政府が舞台を整え、民間の宇宙産業を育てる 日本は商業宇宙産業の成長を国家的優先課題と位置づけており、商業宇宙産業の規模を現在の110億ドルから2030年代初頭までに2倍に拡大するという目標を掲げています。この目標は、2020年6月に改訂された日本の宇宙基本計画(当初の計画は2008年に施行)の中で規定されました。 改訂された宇宙基本計画は、日本の宇宙スタートアップが活発であると認めているものの、日本の宇宙機器業界は米国と欧州に遅れをとっていると指摘しています。たとえば、米国の宇宙産業は、米連邦航空局(FAA)の2016年の試算によれば、約1,580億ドルの価値があります。宇宙基本計画によると、日本の宇宙政策の目標は、宇宙安全保障の確保、災害管理と国家的な回復力への貢献、新たな知識の創造、経済成長の実現、産業的・科学的・技術的基盤に基づく宇宙活動の強化です。 日本で最も多くの資金を調達したスタートアップで、合成開口レーダー(SAR)地球観測(EO)を手がけるシンスペクティブは、日本政府が業界のイノベーションをどのように促してきたかを示す具体例です。シンスペクティブは、ImPACT(革新的研究開発推進プログラム)と呼ばれるハイリスクの研究開発を促進する政府プログラムから生まれました。同プログラムは政府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)を通じて実施されているものです。CEOの新井元行氏によれば、シンスペクティブのペイロード(貨物運搬)技術はJAXAが所有し、バス部(衛星の電源系および熱系プラットフォーム)関連技術は東京大学が所有しています。これらの技術を実装することがシンスペクティブのミッションであり、共同研究開発契約を締結することで他の組織がこれらの技術を利用できるようにしています。 新井氏は、投資家と市場はシンスペクティブのビジネスに大きな期待を寄せているとして、「投資家や市場は、宇宙ビジネスが将来現実のものとなり、ビジネスとして成立すると考え始めているのです」と述べています。 JAXAはさらに、スタートアップを支援する施策として、商業宇宙産業を担う民間企業と研究開発契約を締結したり、ISSの日本実験棟の商業利用を許可したり、H2-Aロケットのライドシェア利用を実施したり、IP(知的財産権)ライセンスやテスト施設を提供したり、人材交流制度を用意するなどしています。 JAXAプロデューサーの小谷氏は次のように語ります。「宇宙活動はますます多様化し、規模も大きくなっています。宇宙探査、SSA(宇宙状況把握)、および軌道上サービスは、JAXAにとっても日本政府にとって最も重要で有意義な領域の1つです。日本政府は、この巨大でリスクの高い開発に貢献するために、予算と人的資源を増やさなければなりません。同時に、グローバルな競争力とプレゼンスを考慮しながら、適切なタイミングで商業宇宙産業の担い手の拡大と能力向上を図ることも、日本政府とJAXAの不可欠な役割であると考えています。」 小谷氏は、商業宇宙ベンチャーを奨励するJAXAの最も注目すべき研究開発プログラムの1つであるJ-SPARCのプロデューサーです。J-SPARCは「JAXA Space Innovation through Partnership and Co-creation(JAXA 宇宙イノベーションパートナーシップ)」の略で、2018年に開始された研究開発プログラムです。JAXAと民間企業はJ-SPARCを通じて対話し、宇宙ビジネスのコンセプト、開発、デモンストレーションについて検討します。小谷氏によると、20件を超える計画が進行中で、JAXAはこのプログラムのために200社以上の企業とコミュニケーションを取っています。 GITAIはJ-SPARCパートナーシップを締結したスタートアップ企業の1つです。同社のビジョンは、宇宙で作業するロボットを開発し、2040年までに火星や月で都市を建設できる低コストで安全な労働力を提供することです。創業者兼CEOの中ノ瀬翔氏によると、同社は特にJAXAと密接な関係にあり、JAXAとの共同研究契約を通じて最近、JAXAのISS「きぼう」実験棟を模したモックアップ上で、ロボットのデモンストレーションを実施しました。 中ノ瀬氏は、日本政府は積極的にスタートアップに資金を提供していると述べていますが、JAXAは米国のNASA(米航空宇宙局)と異なり、産業基盤の安定化のために自らが新しいベンチャーの主要な顧客となる「アンカーテナンシー」という概念を採用していないとも指摘しています。 「NASAはアンカーテナンシーの概念に基づいて米国の宇宙スタートアップを戦略的に育成していますが、JAXAにはそうした概念がありません。多くの日本の宇宙スタートアップは、売上がなかなか上がらないか、そもそも売上がまったくありません。ようするに日本の多くの宇宙スタートアップには収益がほとんどなく、運営資金をVC(ベンチャー・キャピタル)とCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)からの資金のみに依存しているのです」と中ノ瀬氏は説明します。 投資の現状 この数年間で商業宇宙業界の活動が活発化している中で、世界における宇宙投資の状況は変化しています。ブライス・スペース&テクノロジーのレポート「2020 Start-Up Space」によると、宇宙開発産業に投資する米国以外の投資家の数が増加しています。米国以外の投資家が全投資家に占める割合は2018年から2019年の間に53%から63%に増加し、こうした米国以外の投資家のほとんどが中国と日本の投資家でした。 このレポートによると、スタートアップ宇宙業界をこれまで支配してきたのは米国ですが、中国が躍進しており、その他の国がそれに続いているという状況です。中国は2019年、資金提供を受ける企業の数、投資額、取引の数、参加する投資家の数の点で、米国以外のすべての国を上回りました。ただ、米国以外での宇宙産業を牽引したのは中国ですが、それに続く日本、英国、インドは、宇宙ベンチャーが2019年に受けた投資に関してはほぼ拮抗しています。 […]